『何故、星ではなく星間物質なのか?』
仮に背景で流れているのが星だったとしよう。恒星があの程度の大きさにしか見えないということは、何百・何千万光年の彼方にあるわけである。それが流れて見えるということは、次の二つ以外のことは考えられない。
- 自機機体は、光速を超える速度で飛行している。
- 自機機体は、後ろ向きに回転している。
まず1の場合、そのような速度で飛行してる物体が、ああいった戦闘を行うことは不可能に近い。光速を超える速さで、なおかつあれほど前後左右に素早く姿勢制御をされては、中に居るパイロットはたまったもんじゃない。すさまじいGで攪拌され、1面始まった直後にミンチ肉に変わっていることであろう。
しかし、光速を超える速度で飛行できる機体を開発できる技術があるのだから、遠隔操作または重力制御を行い、操作する人間の安全は確保されてる可能性も高い。とすると、この仮定は現実味を帯びてきそうだが、やはり光速航行であのような戦闘をすることは自殺行為であると言わざるを得ない。というのは、よほど慎重にコースを選ばないと、前方にある物体を回避することができないからである。気がついたら恒星の灼熱の炎の中にダイブしていた、ということにもなりかねない。
また、星より後ろに見えている背景はどう説明したらいいのだろうか?手前にある恒星よりゆっくり流れていることからみても、かなりの遠方に位置していると思われるが、それにしてはあまりにも大きく見え過ぎている。どれほど巨大な物体であればあのような見え方をするのであろうか?少なくとも一恒星系(太陽系で言えば、冥王星まで)程度の大きさはなければあのような見え方はしないだろう。それほど大きな物体であれば、引力も当然すさまじいものになり、自機の航行にも影響を及ぼしかねない。また、一面の背景に見えているのは、どう見ても人工物である。どれほどの年月を費やせばそれほど大きい物体を製造できるのだろうか?
一番致命的なのが三面である。自機前方から隕石のようなものが飛んでくる。相対的には自機よりは遅いが、この隕石も光速を超える速さで飛んでいなければあのような見え方はしない。そんな危険な空間に突入していくような真似は、少なくとも私にはできない。
では2の場合はどうか?こちらも『流れて見えるのは恒星である』という部分に関してのみは、現実味のある仮説である。では、この機体に「真っ直ぐ接近してくるように見える」敵機は、実はどのように飛んでくるのかを考えてみよう。画面上では、常に自機の機首の方向に見えている。ということは、自機の後転速度にぴったり合わせた形で、螺旋状に近づいてきてるわけである。これは自機と当り判定のある物体全てに言えることである。なんという非効率的な攻撃であろうか。素直に真っ直ぐ狙えば簡単に倒せるものを、わざわざこちらの見え方に合わせて飛んできてくれているのである。そして、遠ざかるときまでわざわざ螺旋状に飛んでいくのだ。その螺旋回転が少しでも狂っていれば不自然な見え方になることを考えると、実はこのゲームは敵味方の戦闘ではないのではないか?と考えたくなる。芸術的飛行を鑑賞してもらう、ブルーインパルスみたいなものなのではないか?
また、当然のことながら1の場合と同様に、背景の巨大物体、操縦士の安全性、隕石の飛来の仕方などに関しても、全く説明がつかない。
以上の理由から、『背景で流れて見えるのは恒星である』と考えるのは全くのナンセンスであると言えよう。逆に『星間物質(塵や埃)である』と考えると、どれほど自然なことか。あれほどの戦闘行為が行われれば、その破片などがその星域に撒き散らされてて当然である。つまり『宇宙(そら)に散った名も無き戦士達の夢の後』とでも言おうか。あれは志半ばにして星と消えた武者たちの残照なのである。
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